「ここはどこだ!?」
突如うちわの突風に飛ばされたワルド大王は、着地と同時にピカピカ光る車椅子にちゃくっと着席していた。辺りを見回すと、先程までと全く異なる景色とUI。
白線に囲まれた緑のフィールド。どうやら自分はテニスコートの中にいるようだ。
「待ってたぜワルド大王」
ネット越しに彼に呼びかけたのは、同じく光るゲーミング車椅子に乗ったケント。
「なぜ貴様が」
「お祭りだからな」
コートの端ではウェイブがあちこちに立てていたお祭りフラッグが風に靡いている。🚩
「ほらよ」
ケントはワルド大王にテニスラケットを投げ渡す。
「何をする気だ」
「テニスに決まってんだろ」
ケントは自分のラケットをぶんぶん振って素振りの練習をする。
「しかも普通のテニスじゃねえ。古今東西テニスだ!」
「古今東西テニス?」
「ボールを打つ度に、テーマに沿った言葉を放たなければならない……今回のテーマは『国の名前』だ!」
こうしてワルド大王は急に古今東西テニスをやるハメに。
「行くぞワルド大王!俺のサーブからだ!」
「は、はあ……」
ケントはボールを高く上げると、ラケットで思いっきり打ちつける!
「イングランドッッ!」
そこからボールとワードの激しいラリーが続く。
「ロシア!」
「ニッポン!」
「インド!」
「チューゴク!」
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両者ともに譲らず、拮抗する試合。
「なかなかやるな……」
「何しろ殆どの国を一度征服しているからな」
このワルド大王、 倒したやつらの名前を全員覚えているタイプの悪人である。
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「パキスタン!」
「ウズベキスタン!」
「アフガニスタン!」
「トルクメニスタン!」
さらにラリーは続き、スタンゾーンに入る2人。この状況を打破すべく、ケントが勝負に出る!
「タイワンッッッッ!!!!」
ラインギリギリ際際を攻めてきたケント。
「なにっ!?」
焦るワルド大王、なんとか打ち返すもその球は食べ頃甘い絶好球。
「ここで決める!」
一瞬のチャンスに賭ける、ケントは大きくラケットを振り抜いた!
「フィンランドオオオオオ!!!」
その勢いでワルド大王は北欧方面にぶっとびフライングスマッシュしていった!
「あーれーーー!」
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